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SAIKURU Vol.157 WEB版 「筑後川のような心の拠りどころに」

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SAI建築社が提案する
暮らしと住まいの新しいサイクル
と題して毎月お届けしている
フリーペーパー「SAIKURU」

今回は2022年4月に発行した
vol.157号のWEB版です。

ぜひご一読くださいませ。

 

筑後川のような
心の拠り所に。

 

CASE.157
福岡県・久留米市
「空の森クリニック」様
2022.4 開院

 

間接照明によって空間に浮かび上がる受付のカウンター。モデュレックス社の照明が相談者の精神的な不安をやわらげてくれます。

 

受付から診察までの時間を過ごすラウンジの様子。視界に入る曲線の連なりは、空間の空気をゆるやかにトーンダウンさせます。

 

 

クリニックでの多目的な用途に対応する一室「Kokage」。空間そのものに余白を付与することが、相談者のゆとりにつながります。

 

一枚の絵に
思いを込める

フロアに飾られた一枚の絵。そこには一人の女性とともに動物、植物が描かれていました。静かに、じんわりと、体とともに心があたたかくなる感覚をおぼえるこの一枚の前で、しばし見入っていると、「これは日下明さんに描いていただいたんですよ」と院長・中島章さんが声を掛けてくれました。

「素敵な水色ですね」と言うと、中島さんは「厳密にいうと〝川色〟なんです」と返します。絵のモチーフは久留米の大地を潤す筑後川。久留米住人にとって故郷の象徴であり、日常そのもののような存在です。「筑後川のような、そんな人々の心の拠り所になれば嬉しいですね」。そう話す中島さんの笑顔は、これから迎える相談者たちの心を潤すやさしさを携えていました。

今年4月に中島さんが院長として開院した「空の森KYUSHU」。冒頭の絵がディスプレイされていたのは、この院内の一角でした。これまで中島さんは、相談者たちが全国から訪れる沖縄の不妊治療専門クリニック「空の森クリニック」の医師として8年半にわたって働いてきました。

福岡県大木町で生まれ育ったこともあり、故郷に近く、小中高と学生時代に通った思い出の地でもある久留米での開院を志したのです。「この旧岩田屋新館の建物がビジネスビルとして生まれ変わるにあたり、テナントを募集していたんですよ。本当にタイミングよく、最高の場所に巡り合いました」。SAIとの出会いは中島院長の交友関係からでした。

「同級生が偶然にもSAIさんに勤めていて、そこで相談したのがきっかけでした。その後、営業の友納さん、山口さん、畠中さんといった頼れるデザインチームと共に、安心して施工を進めていけました」と中島院長は言います。

間取りを決めるにあたり、重要視したのが、気持ちの良い流れ。設計を担当した山口さんは「不妊治療はもちろん、子供を授かることを目的としていますが、だからといってそれだけがゴールではない。

子供の誕生というゴールに向かい、ご家族が一つになり、絆が生まれる。その絆は人生において掛け替えのないものとなります。そんなお話を伺い、ここは単純な不妊治療だけの場所ではないと思えました」と話します。

中島院長も「病気ではないのに、どこか引け目を感じてしまう。それが今まで不妊治療について回った問題です。だからこそ、これからの時代において、そんな気持ちの問題さえも解決するような一歩進んだクリニックにしたいと思いました」と続けました。

 

相談者は外からの光がやわらかく差し込むこの場所でリラックスし、診察室へと案内されます。

 

福岡の「LIGHT YEARS」のオリジナルペンダントライトが空間のアクセントに

 

パウダールームにおいても空間デザインのベースに曲線を採用。心がほぐれます。

 

未来に向けて
開かれた場所に

「空の森KYUSHU」は入口から不妊治療クリニックのイメージを払拭するオープンな造りに。エントランスから入ると視界に曲線が連なる広々とした受付カウンターが迎えてくれます。相談者は受付を終えると、そのまま待ち合いスペースへと案内されます。

「診療までの間を待つ時間にリラックスしてほしいと思い、このビルで唯一、外光が差し込むスペースを待合スペースの最後にもってきました」と説明するのはデザイナーの畠中さん。

院内には必要最小限の壁が設けられているだけ。「プライバシーの観点だけでいうと壁はあったほうが良いです。ただ、これからの未来における不妊治療はもっと開かれた場所であるべきです。その表現としてオープンではありつつも安心できる空間づくりを目指しました」とデザイナーの山口さんは言葉に力を込めます。

建物内における曲線的なライン、そして肌を連想するベージュのカラー、これらが合わさる空間に身を置くと、まるで人の手の中に包まれているかのように錯覚します。中島院長の想いが今動き出します。

 

診察や治療後のケアをする回復室はゆとりを持たせた造りに。

 

左右対象に2室が設けられた処置室。曲線がキーとなる院内において直線が強調される柱の類いは壁と一体化させることで、空間に調和させます。

 

使い勝手と動線が考え抜かれたスタッフルーム。

 

柔らかい雰囲気のエントランスを通り受付へ

 

Owner's Voice

筑後川のような、久留米の人々の拠りどころになるクリニックを目指しました。日下さんの絵にはじまり、受付から待合へと続く開放的かつ流れるような動線、相談者の方々の心をやわらげてくれる曲線的でやわらかな空間づくり、丁寧に私の思いを汲み取っていただき、心から感謝しています」

中島院長より

 

Producer Voice

リノベーション事業部 部長
友納宗一

延べ床846.3㎡(256坪)、工期6ヶ月の大規模な新装工事でした。もともとファッションビルだった所以もあり区画内の設備条件が厳しくクリーンルーム計画にかなり苦労しました。デザインもアールが多く現場は大変でしたがデザインチームや協力業者の皆様のおかげでお施主様の求めるクリニックを形にできたと思います。ありがとうございました。

 

今回取材させていただいた
「空の森クリニック」様の写真はホームページの
実例ギャラリーでも紹介してます。
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SAI建築社が提案する
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毎月、二丈・朝倉のモデルハウスや
各地の分譲住宅や本社ショールームにて
配布中です。

配布後、このホームページでも
WEB版として定期的に掲載していく
予定です。ぜひお楽しみに。


2022年5月に発行した
vol.158号のWEB版は
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